秋の女よ

わが幻のなかに来る
泣き濡れた秋の女を
時雨だとわたしは思ふ
泣き濡れて 秋の女よ
汝は古城の道に去る
頸に柳葉がちりかかる
枯れた蓮を見もしない
泣き濡れて 秋の女よ
汝があゆみは一歩一歩
愛する者から遠ざかる
泣き濡れて泣き濡れて
泣き濡れて 秋の女よ
わが幻のなかに去る
泣き濡れた秋の女を
時雨だとわたしは思う
一しきりわたしを泣かせ
またなぐさめて 秋の女よ、
凄まじく枯れた古城の道を
わが心だとわたしは思う
by comet1958
| 2010-02-24 21:00
| ことばたち