告別(2)
言わなかったが
俺は四月は もう学校に居ないのだ
恐らく暗く険しい道を歩くだろう
その後で おまえの今の力が鈍り
綺麗な音の正しい調子とその明るさを失って
ふたたび回復できないならば
俺は おまえをもう見ない
なぜなら俺は
少しぐらいの仕事が出来て
そいつに腰掛けているような
そんな多数をいちばん嫌に思うのだ
もしもおまえが
よく聞いてくれ
ひとりのやさしい娘を想うようになるそのとき
おまえに無数の影と光の像があらわれる
おまえはそれを音にするのだ
みんなが町で暮らしたり
一日遊んでいる時に
おまえはひとりで あの石原の草を刈る
その寂しさでおまえは音を作るのだ
多くの侮辱や窮乏の
それらを噛んで歌うのだ
もしも楽器が無かったら
いいか おまえは俺の弟子なのだ
ちからのかぎり
そらいっぱいの
光でできたパイプオルガンを弾くがいい
☆
俺は四月は もう学校に居ないのだ
恐らく暗く険しい道を歩くだろう
その後で おまえの今の力が鈍り
綺麗な音の正しい調子とその明るさを失って
ふたたび回復できないならば
俺は おまえをもう見ない
なぜなら俺は
少しぐらいの仕事が出来て
そいつに腰掛けているような
そんな多数をいちばん嫌に思うのだ
もしもおまえが
よく聞いてくれ
ひとりのやさしい娘を想うようになるそのとき
おまえに無数の影と光の像があらわれる
おまえはそれを音にするのだ
みんなが町で暮らしたり
一日遊んでいる時に
おまえはひとりで あの石原の草を刈る
その寂しさでおまえは音を作るのだ
多くの侮辱や窮乏の
それらを噛んで歌うのだ
もしも楽器が無かったら
いいか おまえは俺の弟子なのだ
ちからのかぎり
そらいっぱいの
光でできたパイプオルガンを弾くがいい
☆
by comet1958
| 2011-09-09 19:30
| ことばたち