金鶏山

金鶏山に　
金の鶏を掘りに行ったとさ

秀衡が悲願をこめて埋めた
二羽の鶏を掘りに行ったとさ

掘っても掘っても
土くれと石ころばかりだったとさ

金鶏山のてっぺんを風がぼうぼうと
吹いてゐたとさ

どこを掘っても
つまらない石ころと土くれだけだったとさ

それでも後からあとから
掘りに行くんだとさ

金鶏山に金の鶏がゐるけれど
誰も知らない処にあるんだとさ

金鶏山に　
金の鶏を掘りに行ったとさ